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【セミナーレポート】AIで変わる仕事、社員が磨くべき力とは? ―「当たり前」が変わり続ける時代に、価値を生み出す「創造的思考力」をどう鍛えるか―

【セミナーレポート】AIで変わる仕事、社員が磨くべき力とは? ―「当たり前」が変わり続ける時代に、価値を生み出す「創造的思考力」をどう鍛えるか―
AIを使えば、新入社員の企画書も、中堅社員の提案書も、それなりの形で出てくるようになりました。
ところが読み終えてみると、どこか物足りない。
多くの企業が、中期経営計画に「新たな価値を生み出す」と掲げています。
その担い手は、新規事業部門の一部の人だけではありません。

既存事業を回している社員一人ひとりにも、当たり前を疑い、別の見方を持ち込む力が求められています。
とはいえ、その力をどう育てればいいのか。新規事業ならまだしも、既存事業でどう活かすのかイメージが湧かない。
弊社も、そんな声をお客様から何度も伺ってきました。

2026年10月5日に開催したセミナー「AIで変わる仕事、社員が磨くべき力とは?」では、BMIA総合研究所所長の小山龍介さんをお招きし、
この力を「創造的思考力」として、どう鍛えるかを考えました。モデレーターは弊社営業部の河野です。
小山 龍介 氏

登壇者

BMIA総合研究所 所長
株式会社ブルームコンセプト 代表取締役
名古屋商科大学大学院ビジネススクール 教授

小山 龍介 氏

京都大学文学部哲学科美学美術史卒業。大手広告代理店勤務を経て、サンダーバード国際経営大学院でMBAを取得。卒業後は、大手企業のキャンペーンサイトを統括、2006年からは松竹株式会社新規事業プロデューサーとして歌舞伎をテーマに新規事業を立ち上げた。2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立し、現職。

翻訳を手がけた『ビジネスモデル・ジェネレーション』に基づくビジネスモデル構築ワークショップを実施、多くの企業で新商品、新規事業を考えるためのフレームワークとして採用されている。インプロヴィゼーション(即興劇)と組み合わせたコンセプト開発メソッドの普及にも取り組んでいる。

河野 裕介

登壇者

株式会社ファーストキャリア
営業部 シニア・マネージャー

河野 裕介

大手人材企業に入社後、理系人材を対象にした人材サービスの営業に従事し、大手メーカー・国立大学の研究室等を担当。現在は株式会社ファーストキャリアにて各業界のリーディングカンパニーを対象に若手社員育成、育成体系構築・現場調査コンサルティングを行いつつ、自社のオンボーディング(新入社員・中途社員)を推進。

創造的思考力とは?「ゼロから生み出す力」ではない

河野既存の延長線上の思考力としては、いわゆるロジカルシンキングやクリティカルシンキング、ラテラルシンキングなど、今をベースに考える思考力があります。一方で最近は、ゼロから1を生み出す、これまでの当たり前の前提を疑う、といった新たなことを考える力として、創造的思考力が注目を浴びています。まずは、分かるような分からないようなこの「創造的思考力」とは何なのか、何を鍛えればいいのかを、小山さんとお送りしたいと思います。小山さん、今日はよろしくお願いいたします。

小山よろしくお願いいたします。創造性というのは、特別な人だけが持つ「ひらめき」ではないんです。既存の認識・知識・経験を、別の関係性の中に置き直す能力。私はそう捉えています。

 

 

河野グローバル化、さまざまなサービスのコモディティ化、テクノロジーの進化といった変化の中で、これまでの成功法則の延長線上では、事業も人の仕事の進め方もなかなかうまくいかなくなっている。ゆえに、多くの企業の中期経営計画には、必ずと言っていいほど「新たな価値を生み出す」というキーワードが入っているかと思います。そこでAIを活用することが至上命題である一方で、社員のパフォーマンスも下げることが懸念されている。そんな中で、小山さんはどのようにお考えですか?

小山AIが得意なのは、これまで「仕事ができる人」の条件とされてきたことそのものです。AIは、情報を集めて比較したり、要約したり、既存の知識を組み合わせたりといった作業について、ものすごく能力が高いんですね。AI時代に本当に人間に求められているのは、AIが出力した、ある程度当たり前の、常識的な、過去の事例を踏まえた妥当な解に対して、「これ本当かな?」と疑ってみること。それから「いやいや、これは一般には当てはまるけど、このお客さんには当てはまらないんじゃないか」と文脈を読み替えること。

あと、情報があればAIも出力するんですけれども、不完全な情報から仮説をつくることは非常に難しい。とんちんかんな答えをする。相手とのやり取りで新しいものを生み出していくのも、AIに逐一聞いている場合じゃないわけですよね。

※新人がAIで伸びるか止まるかの分かれ目は、こちらの記事でも掘り下げています

創造的思考力を支える4つの力

小山AI時代に人間に求められることを支える、一つのOSというか、ベースとなる思考法が創造的思考法なんじゃないかと考えています。いろんなアプローチがあるんですけれども、今日ご紹介したいのは4つの力です。

 

 

小山今日は河野さんに実験台になっていただいて、河野さんがどれぐらい創造的思考ができているのかを、皆さんの目の前でやっていきます。公開処刑的な感じですけれども(笑)。

河野わかりました、是非ともお願いします!

創造的思考力①スキーマ:「今、持っているものは?」で見える思考の枠組み

小山これは心理学の用語なんですけど、私たちの頭の中には思考の枠組みというのがありまして、この枠組み自体が狭い、貧弱だと情報を受け取れない。新入社員が見ている視界と、ベテランの人が見ている視界は全然違いますよね。外部環境は同じでも、頭の中にキャッチャーミットみたいなものがあって、それが小さいと全然受け取れないんです。

河野さん、突然なんですが「持っているものは何ですか?」という質問をしてみます。ただし、机の中やカバンの中を見ながら書いちゃうと、頭の中のスキーマがわからなくなっちゃう。思い出しながら、今持っているものを言っていただいてもいいですか。

河野わかりました。ちょっと視界に入っちゃってるものもありますが……。

小山いいですよ。

河野ペン、ボールペン。・・・スマホ。財布。扇子。名札、研修とかで使う名札。あと、ホッチキス。

小山なるほど、ありがとうございます。研修会社っぽいですね(笑)こうやって書き出していくと、実は最高記録が5分間で118個という方がいます。

河野すごい勢いですね。

小山普通にやっても、50個、60個書く人がいます。多くの人は、「カバンとか見ちゃダメですよ」と言うと、引き出しやカバンの中のものしか書かなくなっちゃうんですね。これ、実はひっかけなんです。「カバンの中を見ちゃいけません」と言った瞬間に、皆さんの頭の中に「カバンの中に持っているもの」というスキーマが出来上がるんですよ。そのスキーマでしかキャッチできない。

「今持っているもの」という言葉そのものの意味で言えば、自家用車や家を持っているとも言えるし、もっと言うならば目に見えないもの。友達を持っている、時間を持て余している、スキルを持っているとも言いますよね。

情報をたくさん取ることではなく、頭の中でキャッチするスキーマをどれぐらい用意するか。これが重要なんです。

 

スキーマはAIでは鍛えられない

小山頭の中のスキーマというのはブラックボックスです。正直、何を見ているか、どう認識しているかは見えないんですけれど、アウトプットすると見えてくるんですよね。それを他人の認識とフィードバックしていくと、「あ、こういうものも『持っている』って言えるな」というアハ体験が起こるんです。

このワークで面白かったのは、内臓を書いた人がいたときです。肺とか心臓とか。それを持っているのは当たり前だろうと思いますけれども、確かに持っている。

 

 

 

小山私は広告代理店に勤めていたんですけれども、そのときのアートディレクターの人に「デザインセンスってどうやったら磨けるんですか?」と聞いたんですね。そうしたら「小山くんね、まず下手でもいいからアウトプットすることだ」と。アウトプットすると、いかに自分ができないかがわかる。その上で優れた人の作品を見たら、「なるほど、この文字の処理はこうすればいいんだ」と、そこで磨かれる。とにかくこれをやり続けるんだ、と。

これ、AIを使ったら鍛えられるか?鍛えられないんですよ。海外旅行に行ってアハ体験を起こし続けたり、自分がアウトプットしてそれがいかにダメかを認識し続けたりしないと、成長していけない。AIでは即座に解決できないスキルの一つだということになります。

ただ、じゃあ河野さん、デザインセンスを磨くために10年修行してくださいと言っても、時間がかかる。人事的にも、もうちょっと早く成長してほしい。そういったときに、文脈を変えてやるということで、これも河野さんに一つお題です。

河野はい。

小山ちょっと変な質問ですが、コップの使い道。水を入れて飲む以外に、どんな使い道がありますか?

河野そうですね。ペン立てとして使う、ですとか。中にいろんなものを入れてオブジェのようにして使うとか。……まだ続けた方がいいですかね?

小山いやいや(笑)。

河野(小山さんが)黙っていらっしゃるので(笑)。

 


続きはアーカイブ配信でご覧いただけます

本記事でお伝えしたのは、セミナー前半のスキーマまでです。アーカイブでは、河野が答えに詰まりながら挑んだワークの続きと、研修への活かし方をご覧いただけます。

  • コップの使い道から、AIを使いこなす人の条件が見えてくる「コンテキスト」のワーク
  • 銀行とホテルで、もしスニーカーを作るとしたら? 河野の答えと、その意外な結末
  • 地動説やエベレストの化石から学ぶ「アブダクション」と、即興劇を応用した「インプロ」
  • 新入社員、3年目、次世代リーダーでの創造的思考力の活かし方
  • 質疑応答(ロジカルシンキングとの関係、スキーマは多ければいいのか)

自社に合わせた研修をご検討の方へ

弊社では、BMIAと連携し、小山龍介さんのメソッドをもとにした「価値創造」研修プログラムをご提供しています。新人、2〜3年目、中堅〜管理職手前と、成長段階や貴社の課題に合わせて設計します。