必要な学びを”自分で考え、自分で選択する”階層別研修
”多様化”による学習内容と業務内容のミスマッチ
同社においては、新入社員を毎年”数百名単位”で採用をしており、若手社員の育成を重点取り組み課題として掲げ、様々な施策を展開してきていました。ただ、対象人数も多いため、形式として「同じ内容を、同じ時期に」機会提供をする一般的なものでした。近年においては事業の多角化も進み、配属部門・業務内容も多様になってきたことから、この形式では「個別の学習ニーズ」とマッチしなくなる、という新たな課題が浮き彫りになってきました。
学習内容を”選択肢”の中から「自分で考え、自分で選ぶ」
まず、画一的な「階層別研修」としての実施を止めることは決めたのですが、完全に「選択型研修」へ移行することにはしませんでした。人事側として、同社の社員として求める「共通の基礎スキル」は全員に身につけてもらいたいと考えていた上、”全ての選択を委ねる”ことが現場にとって負担となり、結果的に学習進まなくなる、ということを懸念したからです。最終的には、受けるべき研修ラインナップは、提示しつつも、それらを「受講するタイミング、順番」などについてはある程度の”パターン”を提示し、最終的な選択は自分達次第、という形式にしました。そうすることで、受講者本人が「目的意識」を持ってそれぞれの学習と向き合えるようになることも狙いとしても定めていました。
業務への橋渡しも行い、”現業に即した学び”に
自身が受ける研修の選択においては、現場の上司・先輩も巻き込みながら「一緒に考える」フローにしていきました。本人たちの「検討のサポート」だけでなく、一連の学習活動に「巻き込む」ことが狙いでもありました。研修前の「意識づけ・動機づけ」や、研修後の「実務への適用」における上司・先輩の役割は大きく、それぞれアドバイスやフィードバックが”もらいやすくなる”状況をつくるようにしました。結果的に、個人の学習効果・姿勢の改善だけでなく、組織における育成風土などにも影響を与えるようにもなりました。