研修を「仕事」として取り組み、”徹底的に考え抜く”導入研修
導入研修における「学習・成長のストーリー」を考える
ある大手メーカーにおける新入社員研修は「約1カ月半」もの期間で実施されているのですが、伝えたいこと/盛り込まなければならないカリキュラムが大量にあり、研修がまさに”分刻み”で構成されていました。このままでは、研修が「一方的に伝える」だけの”ただの講義”のみになってしまい、学習効果が高まらない懸念がありました。この点を”仕組み”で対応すべく、改めて「学習・成長のストーリー」を設計しなおすことにも取り組むようにしました。
「正解のない」テーマに取り組み、”考え続ける”
施策における「軸」として、研修期間の最初から最後まで、ある一貫したテーマについてアウトプットを求める「プロジェクト」へ取り組むことを課しました。そのテーマは、研修期間内に学ぶ内容と関連するだけでなく、唯一絶対解の無いものが設定され、新入社員は”考え続ける”ことを、常に促されるようになります。そうすることで、これまで“ただ聴く”だけであった講義も、「これには何の意味があるのか?」「テーマの検討材料になるのでは?」などと、頭を働かせる状態になりました。結果、学びの量も質も高まることにつながっていきました。
「仕事」として、”成果”にこだわる
新入社員にはそれぞれのテーマに対して、何らかのアウトプットが求められるのですが、ただ何かを”出せばいい”というわけではなく、その「質」についても厳しい水準を設定します。そうすることで、「なぜ、この内容が求められるのか?」「どうすれば期待に応えられるのか?」、配属後の業務で問われることと同じように考えを巡らせてもらいます。また、グループ単位で業務に取り組むため、役割分担、業務連携などにも触れながら、「組織における働き方」も体感をしていきます。そういった「仕事」を配属前に取り組むことで、自分たちの成長課題を洗い出すだけでなく、それらの経験から「自信」も得た上で、各現場へと送りだしていきます