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2026.04.24
新任人事の方に読んでほしいおすすめ本6選|ファーストキャリア社員が厳選(2026年最新版)
予期せぬ異動で突然、人材開発担当に任命され、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、人材開発・組織開発のプロフェッショナルであるファーストキャリア社員が、
新任人事の方に心からおすすめしたい本を6冊厳選しました。
ただ本を紹介するだけでなく、我々自身が日々の業務を通じて得た、リアルな気づきを交えて解説します。
経験や感覚だけでなく、現場で使える理論やマインドを身につけ、
事業を牽引する人事へとステップアップするためのヒントとしてお役に立ちましたら幸いです!
1. 「人事のプロ」はこう動く 事業を伸ばす人事が考えていること|吉田洋介 著(日本実業出版社)
人事の仕事とは何か。この問いに対して、制度、採用、育成、配置、評価といった機能ごとに答えることはできます。
ただ、実際に事業や組織に貢献する人事を考えようとすると、それだけでは足りないのだと思います。
本書は、東京で「人事図書館」を運営する吉田洋介氏が、「事業を伸ばす人事とは何か」を真正面から描いた一冊です。
人事の実務を表面的に整理するのではなく、これからの人事に求められるスタンスや視点を、本質的なところから問い直してくれます。
本書の中で一貫して語られているのは、人事にとって最も大切なのは「知ること」だということです。
しかも、ただ人事制度や他社事例を知るのではなく、自社について深く知ること。その対象として挙げられているのが、
「事業」「組織」「人」「歴史」という4つの観点です。
実際にこれら4つを自分の会社について解像度高く語れるかというと、簡単ではありません。
どんな事業構造で利益を生み出しているのか。
どんな組織文化や意思決定の癖があるのか。
どんな人が活躍し、どんな人がつまずきやすいのか。
そして、今の組織がどういう歴史の積み重ねの上に成り立っているのか。
こうしたことを理解しないままでも、人事のオペレーション自体はある程度回ってしまいます。だからこそ、
人事として本当に事業に貢献するとはどういうことかを考えるうえで、本書のメッセージはかなり重いものがあります。
人事の仕事にこれから向き合う人はもちろん、すでに人事として仕事をしている人、あるいは人事の先輩や外部のコンサルタントと
もっと深く議論できるようになりたい方にもおすすめしたい本です。
【おすすめしてくれた社員の声】
仕事柄、日頃から多くの人事の方と接しているので、自分なりに人事のことは理解しているつもりでいました。
でもこの本を読んで、その理解はまだまだ浅かったなと痛感しました。
「事業」「組織」「人」「歴史」の4つの観点で会社の解像度を高めていくのは、頭では納得できても、実際にそれを
自分の言葉で語れるレベルまで理解するのは簡単ではありません。
だからこそ、人事の仕事の難しさと面白さの両方があるのだと思います。外部から支援する立場としても、
人事の方が自社をより深く理解するために何ができるのかを考えていきたいと思います。(営業企画部:林田)
【こんな人におすすめ】
・人事の仕事の全体像をつかみたい人
・事業に貢献する人事の考え方やマインドセットを知りたい人
・人事担当者とより深く議論できるようになりたい人
・人と組織の支援に関わる立場として、人事理解を深めたい人
2. シン・人事の大研究ー人事パーソンの学びとキャリアを科学する|田中 聡・中原 淳・『日本の人事部』編集部 著(ダイヤモンド社)
現代はしばしば「人事の時代」と言われます。実際、私たちの身の回りを見渡しても、「人と組織」にまつわるテーマが日常の中にあふれています。
朝のニュースでは賃上げや初任給の引き上げが取り上げられ、通勤中には転職サービスの広告を目にし、タクシーに乗れば
HR領域のSaaSのCMが流れてくる。そうした光景からも、人事の仕事が企業経営や社会において、これまで以上に大きな役割を担っていることが伝わってきます。
一方で、人事の仕事は決して一筋縄でいくものではありません。採用、育成、配置、評価といった従来のテーマに加えて、
近年は人手不足、シニア人材の活用、リテンション、オンボーディング、ウェルビーイング、人的資本経営など、次々と新しい課題に向き合うことが求められています。本書でも「新規課題沼」という印象的な言葉で表現されていますが、まさに人事の仕事は、答えのない問いに向き合い続ける営みだと言えるのではないでしょうか。
しかも、その多くは簡単に正解が見つかるものではなく、企業ごとに前提条件も異なります。だからこそ、人事として働く中で、
「自分は何を専門性として身につけているのだろうか」「このキャリアの先に何があるのだろうか」と不安を抱く方が少なくないのだと思います。
そうした中で本書は、
「人事として働くとはどういうことか」
「人事として成長していく人は、何を学び、どのようなキャリアを歩んでいるのか」
といった問いに真正面から向き合っています。人材開発研究の第一人者である立教大学の田中教授・中原教授、
そしてHR領域の大手メディア『日本の人事部』による大規模調査をもとに、人事パーソンの学び方やキャリア形成、
仕事への向き合い方、自信の持ち方まで多面的に整理されているのが特徴です。
人事として成果を出している人は、どのような経験を積み、何を学び、どのように自分の役割を捉えているのか。
人事の仕事をしている方にとっては、自分自身の現在地やこれからの方向性を考える材料になります。非常に参考になる一冊です。
【おすすめしてくれた社員の声】
人事の仕事は、本来とてもやりがいが大きく、企業や働く人にとって大きな意味を持つ仕事だと思っています。
一方で、実際には本人の強い希望で人事に来るというより、異動をきっかけに人事担当になった、というケースも少なくないのではないでしょうか。
人事の仕事は、次々に新しい課題が立ち上がる領域でもあります。そうした中で、本書を通じて、人事として活躍している方がどのように学び、どのようなキャリアを歩んでいるのかを知ることができたのは非常に有益でした。
人事という仕事の難しさだけでなく、その面白さや可能性も感じられる一冊だと思います。(営業部:小泉)
【こんな人におすすめ】
・人事としてのキャリアに悩んでいる人
・活躍する人事がどのように学び、成長しているのか知りたい人
・人事の仕事の意味や価値をあらためて捉え直したい人
・人事担当者の実像をより深く理解したい人
3. 研修設計マニュアル: 人材育成のためのインストラクショナルデザイン|鈴木克明 著(北大路書房)
「良い研修をつくりたい」と思ったとき、私たちはついコンテンツの中身や当日の進め方に意識が向きがちです。
ですが、本当に重要なのは、その研修が何のために存在するのか、どのような変化を生みたいのか、
そして最終的に事業や現場にどんな成果をもたらすのかを、きちんと設計できているかどうかだと思います。
本書は、そうした“感覚的な研修づくり”から一歩抜け出し、効果的な研修をどう設計するかを体系的に学べる一冊です。
インストラクショナルデザインの考え方をベースにしながら、研修を企画・運営する人に必要な視点が非常に実践的に整理されています。
特に印象的なのは、研修そのものを目的化しない姿勢です。本書では、研修は万能ではなく、コストもかかるものである以上、
「まずは研修をしないで解決できる方法はないかを考えるべきだ」という考え方が示されています。
研修を提供する側からすると少し耳が痛い話でもありますが、だからこそ本質的だと感じます。
課題があると反射的に「研修をやろう」と考えるのではなく、本当にその課題は研修で解決すべきなのか、現場の仕組みや上司の関わり方、
業務設計の見直しで変えられることはないのかを立ち止まって考える。この視点があるだけで、研修の設計の質は大きく変わるはずです。
これから研修の企画を担う方にはもちろん、すでに研修に関わっている方にとっても、自分たちの設計が本当に目的に向かっているのかを
見直すきっかけになるはずです。研修を「やること」ではなく、「成果につなげること」として捉えたい方に、ぜひ読んでほしい一冊です。
【おすすめしてくれた社員の声】
本書の中にある「研修はなるべく少ない方が良い」という言葉は、研修を提供する我々としては非常に耳が痛いですが、本質的だと思っています。
研修をすることが目的になってはいけない。目的をしっかりと問い直し、そのうえで学習者を起点に適切なプロセスを踏んでいく、
そのプロセスの解像度が非常に高まる一冊です。(営業企画部:林田)
【こんな人におすすめ】
・人材開発担当としての基礎知識を身につけたい人
・研修ベンダーとしっかり議論できるようになりたい人
・「教育」についても興味がある人
4. 図解 人材マネジメント入門|坪谷邦生 著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
人事領域は、採用、育成、評価、配置、労務、組織開発など扱うテーマが幅広く、個別の論点から学び始めると、
全体像をつかみにくくなることがあります。
本書は、そうした複雑な人事領域を、100の図解を通じてわかりやすく整理した入門書です。
各テーマの要点が簡潔に体系化されており、人事領域を俯瞰して理解するための最初の一冊として適しています。
実務の現場で繰り返し参照できる、辞書のような位置づけで活用できるシリーズです。
本書はシリーズとなっており、採用、労務、目標設定、組織開発、イノベーションと多様な領域をカバーしています。
最初に読む巻としては、今回ご紹介している「人材マネジメント」から入るのがおすすめです。人事機能全体を網羅的に捉えながら、
それぞれの役割やつながりを理解しやすく、近年注目される人的資本経営にも通じる視点を得ることができます。
個別業務の理解にとどまらず、人事を経営や事業との関係性の中で捉える入口としても有効です。
本シリーズを通して伝わってくるのは、人事やマネジメントは経験や感覚だけで進めるものではなく、
理論に基づいて考えることが重要だということです。現場と向き合う際には実践知も欠かせませんが、
それを支える理論があることで、判断や施策に再現性が生まれます。制度設計や育成施策、現場マネジメントなどに関わるうえでも、
理論を踏まえて考える土台を持つことの重要性がよく整理されています。
人事領域をこれから学び始める方はもちろん、すでに実務に携わっている方にとっても、知識を整理し直したり、
自分の担当外のテーマを補ったりするうえで役立つシリーズです。
いきなり専門書に入る前に、まずは全体像を押さえたい方におすすめです。
【おすすめしてくれた社員の声】
全体像や各要点がシンプルにまとまっている教科書的存在です。どの役割を担うかにもよりますが、採用・評価・育成など
人事領域全般の情報が網羅されているため、まずはここから入るのがおすすめです。(営業部:山田)
(同シリーズ、『図解 組織開発入門 組織づくりの基礎をイチから学びたい人のための「理論と実践」100のツボ』についての感想)
組織開発の考え方や全体像が図解で整理されており、非常にわかりやすく理解することができました。
抽象的かつ分かりにくいテーマを具体的にイメージできた点が印象に残っています。都度手に取って読み返しています。
(カスタマーサクセス部:Y.H)
【こんな人におすすめ】
・人事・人材マネジメントの基本をゼロから学びたい人
・制度設計や研修企画など、具体的な業務に活かせる知識を求めている人
・組織開発や目標管理など、少し抽象的なテーマをわかりやすく理解したい人
・経験だけに頼らず、理論を踏まえて人事やマネジメントを考えたい人
5. 人財開発・組織開発コンサルティング|中原淳 著(ダイヤモンド社)
人材開発と組織開発を切り分けて考えるのではなく、両者を往復しながら、企業や組織の課題解決にどう向き合うかを学べる一冊です。
人や組織に関わる支援をしていると、「これは人材開発の話なのか、組織開発の話なのか」と整理したくなる場面がありますが、
実際の現場ではその境界はそれほど明確ではありません。
本書は、そうした現実を踏まえながら、人材開発・組織開発を統合的に捉え、クライアントに伴走しながら支援していく営みを言語化しています。
特に印象的なのは、人材開発も組織開発も、それ自体が目的ではなく、あくまで組織の戦略実現や現場の課題解決のためにあるという視点です。
個人の成長を促す働きかけも、組織の関係性や風土に目を向けるアプローチも、本来は切り離されるものではなく、
相互に補い合いながら進められるべきものだと気づかされます。人事施策や現場支援に携わっていると、
どうしても「育成施策」「組織施策」と分けて考えがちですが、本書を読むと、その分け方自体を一度見直したくなります。
人と組織に関わる仕事をしていると、施策単体の設計だけでなく、
「そもそも何を変えたいのか」「そのために個人と組織のどちらにどう働きかけるべきか」
を問われる場面が増えてきます。そうした問いに向き合うための視点を与えてくれる、実践的で示唆の多い一冊です。
【おすすめしてくれた社員の声】
人材開発と組織開発は、概念としては分けて理解できても、実際の現場ではかなり重なり合っていると感じています。
本書は、その両方をつなげて捉えるための視点を与えてくれる一冊でした。施策をどう実行するかという話だけでなく、
そもそも何のために支援するのか、クライアントや組織にどう向き合うのかまで考えさせられます。
人事の方にも、我々のような外部支援者にも、それぞれの立場から学びのある本だと思います。(営業部:齋)
【こんな人におすすめ】
・人材開発と組織開発を切り分けずに捉える視点を持ちたい人
・人事担当者として、支援の解像度を高めたい人
・人と組織の課題に、より本質的に向き合いたい人
6. なぜ働いていると本が読めなくなるのか|三宅香帆 著(集英社)
最後にご紹介するのは、「人事」そのものではなく、「読書」を切り口に働き方を問い直す一冊です。
「働き始めてから、本が読めなくなった」
この感覚に覚えがある方は少なくないはずです。忙しさのせいだと片づけがちですが、本書はその違和感を、
個人の時間管理ではなく社会や働き方の変化の中で捉え直してくれます。
本書は、日本の労働と読書の歴史をたどりながら、「仕事と趣味が両立できない」背景を読み解く一冊です。
明治から現代に至る流れを追い、歴史的な視点から現代の働き方を照らしている点が大きな魅力です。
特に印象的なのは、現代社会を「ノイズを排除しやすい社会」として捉えている点です。
仕事では効率と正解が求められ、日々の情報収集も自分に必要なものへと最適化されます。
その結果、本のような“すぐに役立つとは限らない背景の文脈”に触れる機会が減っていく。
効率を重視する働き方の中で本を読むことが難しくなっているという問題提起には、強くうなずかされます。
さらに本書は、現代の労働観にも踏み込んでいます。キャリアの個別化が進み、「自分にとっての正解」を早く見つけることが重視される現代では、
“答えに直結する情報”ばかりが求められます。その流れの中で、遠回りに見える読書やカルチャーが後回しにされてしまう構造が見えてきます。
本書は単に「本を読もう」と呼びかけるだけでなく、私たちがどう働き、他者とどう関わるかを考えさせてくれます。
本が読めない時期があることを否定せず、今の働き方がすべてではないとやわらかく教えてくれる本書は、忙しさの中で視野が狭くなっている方や、
仕事以外の世界とのつながりを持ち直したい方の背中を静かに押してくれる一冊です。
【おすすめしてくれた社員の声】
仕事をしていると、どうしても「今必要な情報」や「すぐに役立つこと」に意識が向きがちです。でも、本来はそうではないものに触れる時間や余白があるからこそ、自分らしさや他者理解が育まれていくのだと思います。
印象的だったのは、読書を単なる趣味ではなく、自分の外側にある文脈や価値観に触れる行為として捉えていたことです。仕事に全身でのめり込みすぎず、内面的には“半身”でいられることの大切さは、これからの働き方やオンボーディングを考えるうえでも大きなヒントになると感じました。
(営業部:宮武)
【こんな人におすすめ】
・働き始めてから、本やカルチャーに触れる余裕がなくなったと感じている人
・仕事と自分らしさのバランスを見直したい人
・読書を通じて、他者理解や視野の広がりについて考えたい人
・これからの働き方や組織のあり方を、少し違う角度から捉え直したい人
おわりに
予期せぬ異動で人事部門に配属された直後は、誰しも少なからず不安を抱えるものではないでしょうか。しかし人事という仕事は、組織と事業の成長を支えるだけでなく、ときにその変化を直接後押しできる、非常にやりがいの大きい仕事でもあります。私たちも、日々人事や人材開発に携わる皆さまをご支援する中で、その価値の大きさを強く感じています。
今回ご紹介した書籍が、皆さまにとって新たな視点や学びに出会うきっかけになれば幸いです。気になる一冊がありましたら、ぜひ手に取ってみてください。そして、読まれたご感想があれば、ぜひファーストキャリアの社員にもお聞かせいただけるとうれしいです。
人事・人材開発の外部サポートをご検討の方へ
私たち株式会社ファーストキャリアでは、今回ご紹介した書籍にも通じるような、事業の解像度を高める調査や、課題に合わせたオンボーディング・人材育成をご支援しています。
たとえば、「現場の解像度を高めたいが、どのように調査すればいいか分からない」「新任で研修企画を任されたものの、設計の考え方に自信がない」「自社の課題に合った育成施策やオンボーディングプログラムを相談したい」といったお悩みに対して、企業ごとの状況に合わせたサポートを行っています。
ご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。




