今、「若手育成」の在り方が変わっていく、その転換点にきています。
これまでは「若手は未成熟であり、育成する対象である」という前提で、「若手育成」という言葉が遣われてきたように思います。しかし、近年、「若手育成」そのものの意味が変わりつつあります。
現在の日本では、企業に入る若手は「その固有の“企業の人”化する」=「育成すべき真っ白な対象」と捉えられがちです。では入社したての若手が本当に「真っ白」かというと、実際は白い部分もあれば、これまでの人生における経験や人脈で良い色がついている部分もあります。特に近年の若者たちは、学生時代から海外でインターンをしたり、NPOの活動に参加したり、SNSを通じて多くの人に出会ったり、人それぞれのさまざまな経験を積んできています。若手は、今すでに持っている色を活かし、企業という場で力を試していくことで、塗られていないピースに色がついたり、すでにあった色もさらに変化したりして成長していく。そのように若手のうちから個のタレントを活かした育成のあり方が、今までよりも加速度的に求められてきています。
ではその「個」のタレントを活かした若手育成を実現していく上で、企業はどうあるべきなのか。それは、未知のものにチャレンジできる環境を作り、失敗しても見守り、組織的にカバーして、次のチャレンジの機会を作れる、そういう「器」であるべきだと考えています。一個人でやるよりも濃密な経験ができるように、人脈やリソースを提供したり、新たな興味関心のキッカケを示したりして、個が価値発揮できる場を整えていくことが今の企業には求められています。そして、企業やそこで働く人たち自身も若手と共に挑戦し続ける側に立つこと。育成側の姿勢も大きく問われています。
資金と人脈、世の中への影響力もあるリーディングカンパニーだからこそ、若者たちが思う存分力を発揮できる。私たちは、これまで大企業、日本をリードする企業に入った若者が、その後羽ばたけるために、どうしたら良いファーストキャリア期を築けるか、ということをお客様と共に考え、ご支援してきました。これからの世の中は、どのように若い力を活かしていけるのか、企業も社会も一人ひとりその在り方が問われていきます。その発展をサポートする仕組みの在り方をアップデートし続け、企業と若手の成長を偶発から必然に変えていくことが、ファーストキャリアのミッションであり、存在意義だと信じています。
株式会社ファーストキャリア
代表取締役社長 瀬戸口 航